第105回天皇杯トーナメント表を考えてみる 答え合わせその1

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3月7日に、第105回天皇杯 JFA全日本サッカー選手権大会(以下:天皇杯)の1回戦、2回戦の組み合わせが発表されました。
前回、予想の組み合わせを公開しました。予想の概要としては下記の通りです。

・15ブロックに分けて3回戦までのトーナメント
・勝ち上がった15チームに浦和を加えた16チームでラウンド16(以下:R16)の抽選をするだろう

結果として、これが大ハズレとなりました。

J1勢の位置は法則通り

予想の中で最も近かったのはこのトーナメント表です。
浦和を前年のリーグ順位通りの序列にあてはめて組まれています。

そして実際のトーナメント表を同じ書式にしたのが下記です。

これを読む人の多くが気にするのは、自分の応援するクラブの対戦相手。
それだけを見てほとんど方がこう思うでしょう。
「全然違うじゃないか!」
そういわれてしまえば確かに違います。なので、今回発表された組み合わせの法則を探ります。

まず、J1勢の配置は予想通りだったことがわかります。

続いて、32強(浦和を除いて考えて30強)の顔ぶれを見てみます。

なぜこうなった? J2勢の配置

まず、2回戦を序列上位が勝ち上がったと仮定した3回戦の組み合わせを考えます。

法則を突き止めるのは諦めます。
なぜなら順位のアドバンテージ通りになっていないためです。

本来であれば前年順位で自分たちより下位のチームと対戦していたはずのJ2前年10位の秋田、11位の山口が30強に入れず、さらに12位の熊本を追い越して、13位の藤枝と14位の甲府がアドバンテージを得ているのです。
ただし、相手はそれぞれ前年のJ1準優勝の広島と、J1優勝の神戸ですが。

各J1勢が、3回戦で対戦する予定のチームを表にしたものが下記です。
(ただし、2回戦で序列上位が勝ち上がった場合とする)

上位勢予想の3回戦対戦相手実際の3回戦対戦相手順位差
ヴィッセル神戸
(序列1位)
レノファ山口FC
(序列30位)
ヴァンフォーレ甲府
(序列33位)
3ランク下位
サンフレッチェ広島
(序列2位)
ブラウブリッツ秋田
(序列29位)
藤枝MYFC
(序列32位)
3ランク下位
FC町田ゼルビア
(序列3位)
いわきFC
(序列28位)
ベガルタ仙台
(序列25位)
3ランク上位
ガンバ大阪
(序列4位)
徳島ヴォルティス
(序列27位)
モンテディオ山形
(序列24位)
3ランク上位
鹿島アントラーズ
(序列5位)
ジェフユナイテッド千葉
(序列26位)
V・ファーレン長崎
(序列23位)
3ランク上位
東京ヴェルディ
(序列6位)
ベガルタ仙台
(序列25位)
サガン鳥栖
(序列22位)
3ランク上位
FC東京
(序列7位)
モンテディオ山形
(序列24位)
北海道コンサドーレ札幌
(序列21位)
3ランク上位
川崎フロンターレ
(序列8位)
V・ファーレン長崎
(序列23位)
ジュビロ磐田
(序列20位)
3ランク上位
横浜F・マリノス
(序列9位)
サガン鳥栖
(序列22位)
いわきFC
(序列28位)
6ランク下位
セレッソ大阪
(序列10位)
北海道コンサドーレ札幌
(序列21位)
徳島ヴォルティス
(序列27位)

6ランク下位
名古屋グランパス
(序列11位)
ジュビロ磐田
(序列20位)
ジェフユナイテッド千葉
(序列26位)

6ランク下位
アビスパ福岡
(序列12位)
ファジアーノ岡山
(序列19位)
ファジアーノ岡山
(序列19位)
予想通り
京都サンガF.C.
(序列13位)
横浜FC
(序列18位)
横浜FC
(序列18位)
予想通り
湘南ベルマーレ
(序列14位)
清水エスパルス
(序列17位)
清水エスパルス
(序列17位)
予想通り
アルビレックス新潟
(序列15位)
柏レイソル
(序列16位)
柏レイソル
(序列16位)
予想通り

クラブ格差が少なく、どこがどこに勝ってもおかしくないJリーグ所属クラブにとって、対戦カードに損と得の差などないのかもしれませんが、

本来の相手よりも下位のチームと対戦するのが
・ヴィッセル神戸(序列1位)
・サンフレッチェ広島(序列2位)
・横浜F・マリノス(序列9位)
・セレッソ大阪(序列10位)
・名古屋グランパス(序列11位)
しかも、横浜FM、C大阪、名古屋に至っては6ランクも下位のチームと対戦できるという優遇を受けています。

本来の相手よりも上位のチームと対戦するのが
・FC町田ゼルビア(序列3位)
・ガンバ大阪(序列4位)
・鹿島アントラーズ(序列5位)
・東京ヴェルディ(序列6位)
・FC東京(序列7位)
・川崎フロンターレ(序列8位)
この6チームは等しく予定より3ランク上位のチームと対戦することになりました。

J2勢から見た対戦相手の変化も確認したいと思います。

中位に謎の優遇? J2勢から見た対戦相手

J2勢が2回戦を勝ち上がった場合の対戦相手一覧が下記です。

J2勢予想の3回戦対戦相手実際の3回戦対戦相手順位差
ジュビロ磐田
(序列20位)
名古屋グランパス
(序列11位)
川崎フロンターレ
(序列8位)
3ランク上位
北海道コンサドーレ札幌
(序列21位)

セレッソ大阪
(序列10位)
FC東京
(序列7位)
3ランク上位
サガン鳥栖
(序列22位)
横浜F・マリノス
(序列9位)
東京ヴェルディ
(序列6位)
3ランク上位
V・ファーレン長崎
(序列23位)
川崎フロンターレ
(序列8位)
鹿島アントラーズ
(序列5位)
3ランク上位
モンテディオ山形
(序列24位)
FC東京
(序列7位)
ガンバ大阪
(序列4位)
3ランク上位
ベガルタ仙台
(序列25位)
東京ヴェルディ
(序列6位)
FC町田ゼルビア
(序列3位)
3ランク上位
ジェフユナイテッド千葉
(序列26位)
鹿島アントラーズ
(序列5位)
名古屋グランパス
(序列11位)
6ランク下位
徳島ヴォルティス
(序列27位)
ガンバ大阪
(序列4位)
セレッソ大阪
(序列10位)
6ランク下位
いわきFC
(序列28位)
FC町田ゼルビア
(序列3位)
横浜F・マリノス
(序列9位)
6ランク下位
ブラウブリッツ秋田
(序列29位)
サンフレッチェ広島
(序列2位)
横浜F・マリノス
(序列9位)
7ランク下位
レノファ山口FC
(序列30位)
ヴィッセル神戸
(序列1位)
セレッソ大阪
(序列10位)
9ランク下位
ロアッソ熊本
(序列31位)
ヴィッセル神戸
(序列1位)
名古屋グランパス
(序列11位)
10ランク下位
藤枝MYFC
(序列32位)
サンフレッチェ広島
(序列2位)
サンフレッチェ広島
(序列2位)
同ランク
ヴァンフォーレ甲府
(序列33位)
FC町田ゼルビア
(序列3位)
ヴィッセル神戸
(序列1位)
2ランク上位
水戸ホーリーホック
(序列34位)
ガンバ大阪
(序列4位)
川崎フロンターレ
(序列8位)
4ランク下位
大分トリニータ
(序列35位)
鹿島アントラーズ
(序列5位)
FC東京
(序列7位)
2ランク下位
愛媛FC
(序列36位)
東京ヴェルディ
(序列6位)
東京ヴェルディ
(序列6位)
同ランク
RB大宮アルディージャ
(序列37位)
FC東京
(序列7位)
鹿島アントラーズ
(序列5位)
2ランク上位
FC今治
(序列38位)
川崎フロンターレ
(序列8位)
ガンバ大阪
(序列4位)
4ランク上位
カターレ富山
(序列39位)
横浜F・マリノス
(序列9位)
FC町田ゼルビア
(序列3位)
6ランク上位

32強から漏れたチーム(序列33位以下)にとっては、順位が上であるほど、強いチームと対戦することになります。
そのため、昨年J3で優勝した大宮が、準優勝の今治よりも序列の高いチームと対戦するのはトーナメントの特性上仕方のないことです。そのため、J2については下位勢は予想との食い違いを論じても意味がないといえます。

その一方で、極端な優遇を受けるチームがあります。
冒頭で触れた秋田、山口、熊本です。
秋田と山口については、2回戦で本来は自分たちよりも下位のチームと対戦するはずだったところを、比較的序列の近い上位チームとの対戦となったことの影響か、勝ち上がった場合には3回戦で予定より7~10ランク下位のチームと対戦します。

上位勢もおかしなことが起きています。昨シーズンのJ2で7位だった千葉はJ1で11位だった名古屋と対戦するのに対し、それより上位の6位だった仙台はJ1で3位の町田と対戦することになりました。

J1からの降格組は戦績から上位アドバンテージが得られないことを納得するとしても、昨シーズン昇格プレーオフ圏内に入る成績を収めた長崎、山形、仙台がやや気の毒な組み合わせとなりました。

そして2回戦で優遇を受ける藤枝と甲府は、その代償であるかのようにJ1の2強と対戦か…と思いましたが、もともと3回戦では序列3位以上のチームと対戦する予定だったことがわかりました。

リストアップしてわかることですが、今回のトーナメント表は完全な抽選ではなく、前年順位の序列をベースに、何らかの人為的な調整が入っていることがわかります。
特定のチームを優遇したり冷遇したりするものではありませんが、序列通りの組み合わせと比べてなくチームが現れるのか、開幕を楽しみにしたいと思います。

なお、記事タイトルを「その1」としたのは、「その2」で2回戦の組み合わせについても検証したいと思います。
記事1本にするほどでもなければ、長くなりますが本記事に追記します。

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